2000年入社
製造部マシニンググループ
サブリーダー
小荷田 昌也
当社の製造部には大きく5つのグループがあります。シャフトやギアといった軸物加工をメインとする旋盤グループ、シリンダーやシャフトの形状加工や穴開け加工などを行うマシニンググループ、研磨グループ、検査グループ、そして量産グループです。私は栃木工場でシリンダーヘッドやクランクシャフトなど約10種類の試作品を担当。お客様からのオーダー状況に合わせ、常に5種類ほどの試作品を同時に製作しています。
お客様から図面をいただく際に、大まかな材質などの指定はありますが、詳細部分は製造部が設計。加工するうえで必要なパーツを3Dモデリングしながら、素材の選定や加工の各工程を他のグループメンバーと一緒に考えていきます。熱処理や加工処理による変形なども考慮し、最適な加工プログラムを計画・実行します。
加工は主に機械によるオートメーションで行っていますが、その時の気温や機械温度により、どうしてもミクロン単位の寸法誤差は発生してしまいます。そこで三次元測定器をはじめ、さまざまな検査器具を使って誤差を精密に測定。補正値をプログラムに反映し、より精度の高い製品へとブラッシュアップしていきます。
当社は、一般的な削り方では加工できない「難削材」も数多く着手。工具メーカーとも連携し、新たな刃物などを導入しながら、お客様のあらゆるニーズに対応しています。また、高品質と短納期を実現させるため、精度の高い機械設備を数多く導入。例えば、切削加工はX/Y/Zの3軸で行うのが一般的ですが、さらに回転と傾斜の2軸加工も同時で行える「5軸加工機械」を活用。3軸加工機械よりも高い知識とノウハウが必要になりますが、使いこなすことで工数の減少も可能に。私もさまざまな機械設備や検査器具を駆使し、「いかに早く高精度の部品を製作するか」を追求しています。
寸法や形状の精度だけでなく、「見た目」も高品質の要素の一つ。試作品においても、オイル穴の面取りや表面処理などの最終工程を手作業で仕上げることで、よりお客様の満足度を高められると考え、日々取り組んでいます。
また、私は「このやり方がベストだったのか」と、一つの部品が完成するたびにその工程を振り返っています。切削加工は途中修正することが難しいため、同じ失敗を繰り返さないように、他のグループメンバーにも相談しながら、さまざまな角度から考察。新たな課題を発見し、次に生かすことで、自身のスキルアップにもつながると考えています。モノづくりの醍醐味は、イメージをダイレクトに具現化できること。今後は若手の教育にも注力し、当社が長年培ってきた技術力とモノづくりの本質を伝承していきます。